私の勤めていた会社が、倒産した日の出来事をお伝えします。
少し長文になってしまいますが、良かったら読んでください。

その会社は、全国のショッピングモールへ店舗展開し、
着物を催事で販売していました。
京都にグループ本部があり、グループ全体で社員数約5,000名でした。
私は、その中でも一番大きな子会社で社員数2500名の経理部にいました。
その子会社は設立10年で売上高220億円超、
店舗数も220超と急成長していました。

8月のある朝、

地下鉄の出勤ラッシュから解放され地上へ出ると、
額に手をかざすほど日差しが強く、途中の公園では蝉が鳴いていました。

午前10時。
岩手県久慈店の社員から電話が入り、
「今朝、小口現金用の銀行口座へお金を引き出しに行ったら、一銭もありません。
昨日は30数万円の残高があったんですが、どうしてでしょうか?」

私は「こちらは何もしていないよ」と返答すると、

社員は
「現金がなくては、明日からの催事に必要な備品が買えません。
どうしたらいいですか?」

私は「わかりました。すぐ本部の財務部へ連絡をとってみます。
また連絡しますから、少し待っていてくださいね」
と言って一旦電話を切りました。

私はすぐ部長へ状況を報告し、
部長はグループ本部の財務部担当者へ電話を入れました。
いつもなら部長が電話すれば、すぐつながっていたのに、
その日に限ってまったく電話がつながりません。
何度電話しても不在と返答があるだけでした。
そうこうしているうちに他の店舗からも同じ電話がかかってきました。

何かおかしい!嫌な感じがする!

部長は慌てて社長室へ行くが、1時間経っても出てこない。
経理部内の電話が鳴り止みません。

すると社長がこわばった顔で突然フロアーに現れ、
社員に向かって
「部長職以上は午後3時から緊急会議を開催する。
全国にいる営業部長へ3時までに本社へ戻るように連絡してくれ!」とだけ言い、
社長室へ入ってしまいました。

本社内は、急にざわつき始めました。

午後1時を過ぎると、全国から営業部長たちが、
何事だと言わんばかりに、続々と戻って来ました。

午後3時。
本社会議室には社長、常務、部長職以上が全員集まり、
会議室に鍵が掛けられ、部外者は一切入ることができませんでした。
鍵の掛かった会議は、初めてです。

午後4時。
部長たちが会議室から、わざとらしい笑顔を振りまきながら
何かを隠すように出てきました。

私は部長へ「何かあったんですか?」と聞きましたが、
彼は「終業時間の18時になれば、わかるよ」と言うだけでした。

それからの私は、仕事が一切手につきませんでした。

18時。
本社に勤務する全社員が会議室に集められました。

社長は社員の前に一人で立ち、
少し沈黙があったあと、急に涙を流し始め、
そして床に手と膝をつき頭を下げ、
「今夜10時に親会社と当社は・・・・、自己破産申請をします。
明日以降はこのビルに立ち入ることはできません。
必要なものは今夜帰宅するときに全部持って帰ってください。
会社を潰したのは・・・、私の責任です。
皆さんには迷惑をかけます。申し訳ございません・・・」
と謝り始めました。

床のカーペットは涙で濡れ、そのまま泣き伏せてしまいました。

私たち社員はびっくりして、社長を見下ろしたまま無言で立っていました。
社員の中には同じように泣きだす者もいました。
長い沈黙が続き、常務から解散が言い渡され、
みんな無言のまま、その場から立ち去っていきました。

倒産について現場社員はFAXで知らされましたが、
彼らは営業時間中だったため倒産したことも知らず、通常通り働いていました。

倒産の原因は、客への強引な販売でクレームが殺到し、
メディアがそれを取り上げたことも追い打ちとなり、
グループ全体の売上が急減していたことです。

私は、デスクに戻り手提げ袋を探し、それに自分の備品を詰め、
両手いっぱいの荷物で地下鉄へ乗り込みました。
そして明日からどうしたらいいのかという不安だけが
頭の中を駆け巡っていました。

ここまでが、私が体験した倒産の日の出来事です。

さて、お知らせです。

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